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「ごちそうさまでした!」

「すまないね夕飯前に付き合ってもらっちゃって。おうちの人に怒られないかな」

「うち放任なんで問題ないっす! めしもまだ食えますし」

「沢里、今日はありがとう。本当に」

「気にすんなって。じゃあリンカ、また明日」

 人生で一番おいしかった串カツを食べた後、自転車で颯爽と駆けていく沢里を見送り義父と家に帰る。

 玄関で母が待ち構えているのが気配で分かり、思わず義父の背中に隠れる。

「ただいま帰ったよ」

「凛夏! ……って、あなたも一緒だったの? おかえりなさい」

「ああ、少し飲んで帰るって連絡した後にたまたま会ってね。一緒に串カツ食べてきたんだ。ね、凛夏ちゃん」

「う、うん……」

 戸を開けると思ったとおり仁王立ちの母が鬼の形相で怒鳴りつけてきたが、義父の顔を見て一瞬トーンダウンする。

 おずおずと顔を出してただいまを言うと、母は私の頭からつま先までじっとりと睨み付けて言った。