そして、悪いことは続くものだ。
「ねえあなたが五十嵐さんだよね?」
「美奈に名前聞いたんだ。沢里くんといつも一緒にいる子誰って聞いたら教えてくれたよ」
「ちょっとうちらと話そうよ」
静かな中庭で土井ちゃんとワイヤレスイヤホンを半分こして音楽を聴きながらお弁当を広げていると、三人分の声が頭上から降ってくる。
見るとどこかで会ったことがある気がする三人の先輩がじっと私を見ていた。
ぼんやりとする頭ではどこで会ったか思い出せない。
同じクラスの美奈の知り合いだろうか。
そんなことを考えているうちに土井ちゃんがキリッとした表情で答える。
「あの、なんの用でしょう? 今日この子体調悪いんで無理です」
「少しでいいから」
「具合悪いなら支えてあげる」
「ていうかあんたには関係ないから」
たたみかけるように言う先輩たちに腕を掴まれた私はそのまま中庭の木陰に引きずり込まれてしまった。
「でさ、沢里くんと付き合ってるの?」
クヌギの木に押し付けられるように三人に迫られる。
そこで私はようやく思い出した。目の前の彼女たちは、沢里が逃げるために私をダシに使った時の先輩だ。
「ねえあなたが五十嵐さんだよね?」
「美奈に名前聞いたんだ。沢里くんといつも一緒にいる子誰って聞いたら教えてくれたよ」
「ちょっとうちらと話そうよ」
静かな中庭で土井ちゃんとワイヤレスイヤホンを半分こして音楽を聴きながらお弁当を広げていると、三人分の声が頭上から降ってくる。
見るとどこかで会ったことがある気がする三人の先輩がじっと私を見ていた。
ぼんやりとする頭ではどこで会ったか思い出せない。
同じクラスの美奈の知り合いだろうか。
そんなことを考えているうちに土井ちゃんがキリッとした表情で答える。
「あの、なんの用でしょう? 今日この子体調悪いんで無理です」
「少しでいいから」
「具合悪いなら支えてあげる」
「ていうかあんたには関係ないから」
たたみかけるように言う先輩たちに腕を掴まれた私はそのまま中庭の木陰に引きずり込まれてしまった。
「でさ、沢里くんと付き合ってるの?」
クヌギの木に押し付けられるように三人に迫られる。
そこで私はようやく思い出した。目の前の彼女たちは、沢里が逃げるために私をダシに使った時の先輩だ。
