酷い顔だ。目は充血してまぶたが重い。

 むくみを取るために蒸しタオルを目の上に乗せる。

 一晩泣き通すなんて初めてだった。

 嫌な思い出しかない中学時代でも夜は電源が切れるように眠れたのに。

 身支度をしなければ。今日もまた一日が始まる。

 柾輝くんという支えを失ったとたんに、こんなにも揺らぐ自分が信じられない。

 あの晩、ファミレスを出た後涙が止まらなくなってしまった私は透流さんの追及を受ける前に部屋に閉じこもった。

 透流さんはたまたま通りかかって私を見つけて店に入ったとか、夜に一人で出歩くなとか色々言っていたが全くどうでもいい。

 勝手に部屋に入らないと言う暗黙のルール上、透流さんからは逃げ切れている。