クラスメイトたちは驚きはしていたが特に止める様子もなく、またやってるよという目で眺めてくる。
「凛夏、あんたどんだけなつかれてるのよ……なんだか私まで疲れちゃうよ」
「そんなこと言わないで土井ちゃん! お願い、親友でしょ」
「リンカの親友は土井かー。相手にとって不足はないな!」
「凛夏、どういう意味なのか通訳して」
「ごめん私にも分からない」
そんな沢里の行動が大きな悩みの種であることは間違いないが、私にはもうひとつ、なんとかしなければいけないことがあった。
そう、曲作りが思うように進んでいないのだ。
家でピアノを弾いていたらまた母や透流さんに嫌味を言われるかもしれない。そもそもそうやってびくびくしながらだといい音が浮かばない。
そこで私は放課後の学校で作曲をすることを思いついた。
