「次の曲どうする?」

「もう骨組みは考えてるよ」

「さすがだなあ」

 サワソニが終わった翌日から、私と沢里はすぐに次の曲作りに着手していた。

 学校では休み時間の度に大勢が私たちを見に来るので、動物園のパンダになったような気分だ。

 ライブ当日にネットでお祭り状態になっていたのが拡散されたらしく、私たちは一躍有名人になっていた。

 クラスの皆も突然教室が動物園化してさぞ迷惑しているだろうと思いきや、なんだかんだ気を使ってくれて申し訳ない。

 意外にも周囲からの風当たりは強くなく、また先輩たちに「生意気だ」と呼び出されやしないかと冷や冷やしていたがそんなことはなかった。

 ネットの注目を浴びていることが現実のアンチから守ってくれているようだ。

 確かにこの状況で私がボコボコにされたらすぐに相手が特定されるだろう。

 顔出しした結果の思わぬ副産物に驚きつつも納得する。