君の隣で歌いたい。



「続いては今回の目玉! 高校生ゲスト【linK & haru.】!」

 わっと沸き上がる歓声に引っ張られるようにステージに上がる。

 まず目に入ったのは、目の前に広がる人の海。

 思わず呼吸を忘れるくらいに熱く盛り上がっている。

 暑い、熱い。腹の底に響くような観客の声と、突き刺さる視線が心地よい。

 隣に立つ沢里を見ると、頬を染め早くも感極まった表情をしていた。

 招待席を見ると、タオルを振り回す義父とカメラを構える透流さん、そしてじっとこちらを見つめている母の姿を見ることができた。

 そして中学時代の部活の同期の姿も視界に入る。途中まで仲のよかった五人だ。

 その表情はどこか硬く、無意識に私の体も緊張で軋む。