♢♢♢
「さあ今年も夏を迎えるためのステージが始まります! Sawa Sonicここに開幕―!」
司会者のスタート宣言にわっと歓声が上がる。
私たちは控え室に残ってスマホで中継を観ながら、会場の人の多さに圧倒されていた。
「すごい……! こんなに人が集まるんだね」
「ああ、いよいよ始まりだ!」
司会者のあいさつもそこそこに、早速一番目の演奏者が舞台に上がる。
ハイテンポな曲が響き渡り、ただひたすらに会場の熱気が伝わってきた。
控え室で待機するアーティストたちもどこかテンションが上がっている気がする。
もう一度スマホに目を落とし、客席を注視する。
チケットを渡した人たちは、前の方の招待席に座っているはずだ。
残念ながら中継では確認できないが、誘った全員がそこに座っていることを信じたい。
祈るように手を合わせ、その時を待つ。
沢里はイヤホンをしてひたすらに音を確認している。
名前を呼ばれるまで心を平静に保つのは難しいし、その方法は人それぞれだ。
時々体が固まらないように肩をたたき合ったり、軽くストレッチをする。
合唱部の仲間とも本番前によくやっていた。
思い出すのは全国の舞台、悪夢の始まりの日。
「さあ今年も夏を迎えるためのステージが始まります! Sawa Sonicここに開幕―!」
司会者のスタート宣言にわっと歓声が上がる。
私たちは控え室に残ってスマホで中継を観ながら、会場の人の多さに圧倒されていた。
「すごい……! こんなに人が集まるんだね」
「ああ、いよいよ始まりだ!」
司会者のあいさつもそこそこに、早速一番目の演奏者が舞台に上がる。
ハイテンポな曲が響き渡り、ただひたすらに会場の熱気が伝わってきた。
控え室で待機するアーティストたちもどこかテンションが上がっている気がする。
もう一度スマホに目を落とし、客席を注視する。
チケットを渡した人たちは、前の方の招待席に座っているはずだ。
残念ながら中継では確認できないが、誘った全員がそこに座っていることを信じたい。
祈るように手を合わせ、その時を待つ。
沢里はイヤホンをしてひたすらに音を確認している。
名前を呼ばれるまで心を平静に保つのは難しいし、その方法は人それぞれだ。
時々体が固まらないように肩をたたき合ったり、軽くストレッチをする。
合唱部の仲間とも本番前によくやっていた。
思い出すのは全国の舞台、悪夢の始まりの日。
