まさか柾輝くんもサワソニの出演者だったなんて。
そういえばライブのスケジュールなどは全て沢里にまかせっきりだったので、私は他の出演者を知らない。
そして私たちはsawaさんのゲスト枠なので、柾輝くんも知りえなかったというわけだ。
私は自分の顔が喜びで緩んでいくのを感じていた。
柾輝くんと同じ舞台に立てる。
柾輝くんに私たちの生演奏を聴いてもらえる。
そんなの興奮せざるをえない。一度諦めたがやはり嬉しいものは嬉しい。
「いやいやいや、んな嬉しそうな顔すんな! 大体なんでお前がサワソニに出れるんだよ!? 俺たちだってインディーズの選抜に選ばれてようやく今年初めて出れるってのに!」
「それはsawaさんに出ろって言われたから……」
「エッ!?」
ピシリと石化する柾輝くんの代わりにモヒカンさんが口を開く。
「じゃああなたたちが今日のゲスト?」
「はい、そうです」と沢里が答えると、柾輝くんたちは驚いて顔を見合わせた。
