君の隣で歌いたい。

♢♢♢


「凛夏、沢里クンとは元々知り合いなの?」

「そんなわけないじゃん……」

 土井ちゃんとの楽しいランチタイムも沢里の話題で浸食されてしまう。

 沢里は早くもクラスで人気を博している。爽やかな見た目と気さくな性格で、校内でもイケメン転校生だなんてもてはやされていた。

 そんな彼に突然名前を呼ばれなれなれしくされている私に注目が集まるのも仕方がないことかもしれない。

「そうなの? 私てっきり前からの知り合いかと思った。だって昨日、授業中に突然リンカ! だなんて名前呼んでたし。その後二人そろって消えちゃうし」

「ああ、うん……でも本当に、知らない人なんだよね」