「あーおかしい! だって私たち、同じことしてるんだもん。私も沢里の前の学校の人ライブに呼んじゃった! 勝手にごめん!!」

「ええっ!?!?」

 今度は沢里が目を白黒させる番だ。

 それは沢里がいない隙を狙って、沢里のお母さんに会いに行った日。

 沢里には内緒で前の学校の音楽コースの人に連絡を取れないか相談したのだ。

 すると沢里のお母さんが音楽コースの先生に連絡を取ってくれて、無事にチケットを五枚送ることに成功した。

「マジ?」

「マジ。どうしても沢里の姿を見てもらいたくて。だからおあいこだね」

 私たちは顔を見合わせて、同時に吹き出した。

 二人で涙が出るほどけらけら笑って、笑いすぎて苦しくなって、練習室の床に転がった。