「っ……じゃあ! 【linK】じゃないっていうならクラスの皆に言ってもいいよな?」
「え?」
「ほくろのこと」
ぎくりと肩が跳ねた。
ほくろの位置は誤魔化せない。よく見たら誰にだって分かってしまう。
ふと土井ちゃんの顔が脳裏によぎる。きっと嫌われる、がっかりされる。
嫌なイメージに思わず片手で小指を覆うと、それに気付いた沢里はしょんぼりと眉を下げた。
「ごめん、脅すつもりじゃなかった。でも本当のことを教えてほしい。……【linK】、だよな?」
こちらの顔色を伺うように問われる。
私はしばらく呼吸を止め、大きく息を吐いた。もう認めざるを得ない。
「……だったらなんなの」
「一緒に歌いたい」
思いもよらずストレートな頼み事に呆気にとられる。
ユニットだのコーラスだのは意味が分からなかったが、彼の望みをようやく理解した。
けれど私の心は動かない。
