君の隣で歌いたい。



「沢里クンは凛夏になついてるの。実感ないかもしれないけど周りから見るとそれはもう顕著よ。ゴールデンレトリバーだって凛夏が言ったんじゃない。主人に見捨てられたらそりゃあ泣くわよ」

「そ、そんなに? 泣くほどかなあ」

 私の分のパンケーキも味見しながら土井ちゃんはうんうん頷く。

 やはり私は沢里を傷つけてしまったのだ。心にもない軽はずみな言葉で。

 沢里と釣り合わないと言われてイライラしていた。

 美奈に言われなくても分かっていたのに、改めて思い知らされて気持ちがもやもやとしていた。

 その苛立ちを丁度沢里にぶつけることになってしまうなんて。

 ぐるぐると後悔の渦に沈み込む。

 なぜ私はこんなにも短絡的なのか。透流さんの件で反省したはずだったのに。