大好きな駅ナカのパンケーキのはずなのに、いつもよりおいしくない気がする。むしろ噛むのが億劫なほどだ。
沢里の涙で頭がいっぱいになってしまっている。
私はなんとかバナナを飲みこみ、土井ちゃんに話せる部分だけを説明することにした。
「美奈に、沢里と釣り合っていないって言われて」
「うん」
「沢里が私のために先輩たちを怒ってくれて」
「うん」
「沢里と釣り合ってないのは本当のことだし、これ以上沢里に迷惑かけたくなくて」
「うんうん」
「もうかばわないでって言って」
「はいはい」
「それができないならもう動――ええと、仲よくできないって言ったの」
「それだ!」
パンケーキを口に運びながら相槌を打っていた土井ちゃんは、私の最後の一言に名探偵ばりに指を差した。
