君の隣で歌いたい。



「ちょっと!?」

「ゴミ出し行くんだろ? 持つから案内して。俺まだゴミ出し場の場所知らないんだよな。場所が分からないって言うと、誰かが代わってくれてさ」

「ヒトの話を――」

「聞いてる」

 能天気な話をつづける沢里だったが、不意にその目が真剣なものに変わる。

 そして集積所までもう少しというところで沢里は足を止めた。

「リンカが絡まれるのは俺のせいなんだからかばって当然だ」

「それを望んでないって言ってるの」

「それはなんでだ?」

「だから、私が沢里に釣り合わないから! 沢里が私をかばうと余計に反感買うし、沢里だって悪く思われるかもしれないじゃん!」

 一から十まで説明しないと分からないなんて鈍い男だ。

 それでも沢里はわけが分からないという表情で見降ろしてくる。

 そんな顔をしたって私だってこんなことを言いたくて言っているのではない。

 ただもう私の知らないところで私を守ろうとするのを止めたいし、今日の昼のように表立ってもしてほしくないのだ。