君の隣で歌いたい。

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 臆病になったらなかなか抜け出せない。

 学校では【linK】と【haru.】ではいられないのだから、沢里のためにも学校では関わらない方が無難ではないか。

 これまでは美奈のようなアンチの言うとおりになるのが癪だったから普通に接していたが、そのせいで沢里にもアンチがつくようになったら私の責任だ。

 好意をないがしろにした側が、どんな目で見られるか私はよく知っている。

 ぼんやりと午後の授業とホームルームを終え、ゴミだし当番の仕事にとりかかる。

 教室のゴミをひとつにまとめて集積所に持っていくだけなので、終わった頃に丁度図書室に本を返しに行った土井ちゃんと合流できるはずだ。

 ゴミ袋を引きずらないように運んでいると、ふわりとゴミ袋が宙に浮き、私は爪の引っかかった猫のようにつられて上に伸びてしまった。