君の隣で歌いたい。


 土井ちゃんの小さい体に隠れるようにして、私は教室に戻り、邪魔の入ったランチタイムを再開する。

「もっと早く止めればよかったよ。でも本当にただ話しているだけだったら悪いなと思って、尻込みしちゃった。今度から美奈に呼ばれたら私も一緒に行くから!」

「ううん、いいの。私が嫌われてるだけだから」

「言ったとおりになったね」

「え?」

「ミーハーに目を付けられて、大変なことになるって」

「ああ……」

 美奈も楽しくてやっているわけではないだろう。よほど嫌っているのだ。私という存在を。

 でも私は大丈夫。

 隣にはお弁当を早食いしながら、「【linK】の新曲語る時間なくなっちゃった!」と嘆く土井ちゃんがいる。

 大変なことになると分かっていていつも駆けつけてくれる、大切な友達。