美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



~四日目~

 この日も朝から快晴だった。
 翔はホテルの朝食会場でミナとウィルと顔を合わせた。
 沙羅に関しては、昨夜の事をあまり覚えていないらしい。というか、そういう事にしておきたいのだろう。翔はそんな沙羅に合わせて昨夜の事は必要以上に触れずにいた。
 ミナとウィルもそんな感じだった。覚えていないふりをしているのか本当に覚えていないのか、でも、ある意味、翔にとっては有難かった。翔の気持ちが沙羅に向いているのは紛れもない事実で、その事を突っ込まれると冷静でいられるか見当がつかない。
 昨夜のいざこざを皆が触れないのであれば、それに越した事はなかった。

「翔、今度一緒に飲みに行こうよ」

 ウィルは昨日より翔に対して積極的だ。彼の中で何かが覚醒したのか、翔にベッタリとくっ付いてくる。

「いいよ~」

 翔がそんな風に軽く返事をすると、ウィルはすかさずスマホを取り出し連絡先の交換にしたがった。