沙羅はそんな翔の言葉を受け流した。真剣に受け止めたくない。たった七日間の付き合いなのに、死ぬほど傷つくのが怖かった。
「ごめん…
もうこんな話はしない。翔もしないでいいからね。
翔が近くにいてくれるのは後五日だけ…
その少ない時間を楽しまなきゃ」
翔は立ち尽くす沙羅の手を取り、自分の隣に座らせた。
「今の俺の立場を沙羅がどう理解しようと構わない。
でも、一つだけ覚えておいて…
こういう仕事をしている俺だけど、心はちゃんとあるっていうこと。
今の俺は沙羅を守る事だけ考えてる。
こんなに素直で可愛い沙羅を守りたい。
誰にも指一本触れさせない…」
翔は沙羅を優しく抱きしめる。
翔の柔らかい石鹸の匂いに沙羅の心は溶けていく。涙が止まらない。気持ちは完全に失恋したみたいに落ち込んでいる。こんな短い間に、キスさえもしていないのに、自分自身が保てられない程に誰かを好きになること自体初めてだった。
好きで好きでたまらない…
もうどうしようもないくらいに…



