美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



「本気になっても、どっちみち付き合う事なんてできない。
 私の拠点はアメリカだし、でも、その前に、きっと、翔はこういう事に慣れている。
 私の警護の一週間が過ぎたら、よそよそしい他人になる。そうでしょ?」

 沙羅は泣きそうになるのを必死に堪えながら、翔にそう聞いた。別にちゃんとした答えは求めていない。何となく受け流してくれればいい。

「今までの俺はそう。でも、今回は分からない」

「でも、翔は毎回そんな事言ってる。みんな、翔の事を好きになるから」

翔は困ったように微笑んだ。さっきまで寝転がっていたせいで、ちょっとだけ髪が乱れている。でも、それさえも魅力的だった。もう、翔に関しては全てがカッコいい。そんな沙羅は完全に沼に落ちている。

「俺は、沙羅の事を心から守ってあげたいって思ってる。
 意外かもしれないけど、実はこんな風に思う事は初めてなんだ。
 今までは200%仕事としての俺だったけど、今回はちょっと違う」