沙羅の鼻の頭は日焼けのせいか少し赤くなっている。翔は、そんな自然体の沙羅をさりげなく抱き寄せた。
「夜はミナとウィルと三人で楽しんでおいで。部屋から出なければ心配要らないから。
その代わり、12時には迎えに行く。OK?」
沙羅は翔の胸の中で静かに頷いた。というか、このイチャイチャ感は一体何なんだろう?
翔は自分の沙羅への想いをもう隠す事なんてできない。でも、沙羅は大切なクライアントで、身体はもちろんの事、心だって傷つけるわけにはいかなかった。
…抱きしめるだけなら問題ないだろ?
それだけで終わるなんて絶対に無理だという事を分かっているのに分からないふりをする翔は、もう完全に恋に落ちている。



