美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 一時間ほど並んで、四人はやっと食事にありつけた。ミナの言う通り、時間で言えばちょうどお昼どきだ。たまたま海が見える窓際の席に座ることができて、翔以外の三人はすごく喜んでいる。
 席に着いたら料理がくるのは早かった。期間限定のスペシャルランチ。その純日本風豪華ランチを注文するのは、ほとんどが海外からの客だ。店の方も、あらかじめ準備しているに違いない。

「美味しそう~~」

 ミナはすぐにお膳に載せられた色とりどりの料理にスマホを向ける。和食の料理がほとんどで、どの料理も手が込んでいて見た目も美しい。沙羅もウィルも同じように写真を撮っていると、隣の席に座っている欧米人の若者が沙羅に話しかけてきた。

「サラ・ディアスだよね? 
 オリエンタルハイGの」

 一瞬、三人の顔が凍り付く。翔はこの分かりやすい皆の反応に、ちょっとげんなりする。
 そして、すぐに翔がその男に声をかけた。

「すみません、たぶん、人違いかと。
 彼女は僕のフィアンセです。サラ何とか?とは違いますが…」