反対側の翔の隣にピタッとくっつくウィルが、沙羅にそう警告する。
「恋人同士のふりをして、お互い気持ちが盛り上がるってよくあるパターン。
でも、沙羅、翔は仕事でそんなふうにしてるだけ。
沙羅がアメリカに帰ったら、はい、それでおしまいなんだから、沙羅が主導権を持たなきゃダメだよ」
ウィルはそう英語でまくし立てた。
翔には理解できないから、ちゃんと警告するねと、ウィルの表情は語っている。
でも、翔はしっかり理解していた。そんな風に見せないけれど。
沙羅は困ったようにウィルに目配せをして、OKと呟いた。



