美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 ウィルは肩をすくめて降参のポーズをする。
 そして、三人はやっと車に乗り込んでくれた。というか、車に乗るだけなのに、どうすればこんなにも時間がかかる?
 翔はこの先が思いやられた。すごく可愛くて楽しい三人だけど、三人タッグを組めばきっと翔でも太刀打ちできない。そんな仲良しパワーオーラが渦巻いている。
 翔はミナが考えた観光地ルートをナビに入れた。
 一時間程かけて着いた場所は、いきなり昼食をとるためのお店だった。
 翔の感覚ではまだお昼の時間には早すぎる。でも、三人はそのお店にできた行列にすぐに並び始めた。

「翔、早く~」

 ウィルが翔をそう呼んだ。翔は元々食に関してあまり興味がない。だから、食べるためだけに何時間も並ぶなんて、翔の今までの人生でそんな体験をした事はない。
 でも、翔は沙羅に付き合うしかなかった。沙羅にピタッと寄り添って守りたいという気持ちには抗えない。