美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



「偽物の恋人なんだから、関係ないよ」

 その二人は英語でそう話していた。翔は英語であれば日常会話くらいの事は全く問題ないけれど、でも、ここは日本でミナもウィルも日本語を学びに来ている。

「あの、いい?」

 翔はそう言って、三人の視線を自分に集める。

「せっかく、今、日本にいるんだから、俺がいる間は日本語で話そう!
 俺、よく英語分からないし、そうしてくれればすごく嬉しい」

 英語は全然話せるけれど、こう言っておけば聞かれたくない話は英語でするだろう。そういう情報を手に入れる事も翔の仕事だ。

「OK! そうしよう」

 皆、いい子達ばかりだ。すぐに、翔の提案を受け入れてくれた。
そして、それぞれ荷物をトランクに入れる。沙羅も二人を手伝ってまだ外に居た。三人は何やら揉めている。

「翔の隣は僕でいいですか?」