ミナとウィルは翔が指定したとある駅のローターリーで待っていた。その駅のロータリーは比較的車の往来が少なく、人も少ない。見通しもよく、翔がよく利用する駅だ。
車が駅のロータリーに入った時、沙羅が楽しそうに笑った。
「あ~、もう、二人とも荷物が多過ぎだよ~~」
翔はもうすでに気付いていた。
沙羅の友達のミナとウィルは、SNSで簡単に見つけられるほど、自分自身の日常を頻繁に発信している。そこにアップされている写真で二人の特徴は完璧に把握していた。
ミナはレッドブラウン系の髪の色をしていて、いつも三つ編みにしている。中肉中背、下唇の右端に小さなリングのピアスをしていた。見た目も発するオーラもオタク系外国人。まるでアニメの世界から飛び出してきたような雰囲気を持っている。
そして、ウィルは色白で少しポッチャリ系の男の子。自分がゲイである事を公表しているけれど、見た目は清楚な男の子スタイル、でも、心は完全な女の子。これは沙羅から聞いた話だけど。
翔は二人が待っている場所に車を停める。すると、真っ先に沙羅が車から飛び出した。



