美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



~三日目~

 翔は自分の持ち物を確認している。今日から一泊で神奈川方面へ観光に行く。いや、行く沙羅に付いて行く。
 今のところ沙羅の身に危険が生じるケースはないけれど、今回の観光も安全に過ごせるように最善を尽くす。翔は、日本が大好きな三人にただひたすら楽しんでほしいとそう思っていた。
 三人の当初の計画は、電車を乗り継いで色々な場所を観て回るそんな一般的な観光だった。でも、そこへ翔というボディガードが車を出すと提案した。
 本来は仲良し三人組で気兼ねなく楽しむ予定だったけれど、やっぱり車の移動は魅力的だ。ということで、翔の提案をすぐに受け入れてくれた。

「準備はOK?」

 リビングへ出てきた沙羅を見て、翔はそう聞いた。沙羅は一泊にしては大きめのスーツケースを持っている。翔はわざとそのスーツケースを二度見した。

「でかくない? 何がそんなに入ってるの?」

 沙羅は何も気にならないみたいにキョトンとしている。