美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



「友達に俺も一緒だって事だけは、伝えておいて。
 ミナとウィル、俺と友達になってくれるかな~」

 翔は笑いながらコーヒーを飲み干して、沙羅の指定した時間をもう一度確認する。そして、自分の部屋へ戻って行った。

 沙羅は、ホテルのVIP専用駐車場でロールスロイスに乗り込んだ。本当は電車に乗って東京の街を巡りたかったのに、それを支配人が許してくれなかった。でも、翔の粘り強い説得によって、帰りはタクシーを使う事を承諾してくれた。沙羅はたったそれだけの事だけど、すごく自由になれた気がした。
 そして、翔は支配者人と打ち合わせを終えて沙羅の隣に座ったけれど、何だか難しい顔をしている。沙羅を見てとりあえず笑顔を作った後、すぐにスマホで何かを検索し始めた。沙羅はちょっとだけ心配になる。でも、翔が側にいてくれる安心感はそれ以上に強固だった。
 そんな二人を乗せたロールスロイスは、銀座のある一角で停車した。

「え? 銀座?」