美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 沙羅の中で、翔の立ち位置が分からなくなってしまっている。友達のような恋人のようなそんな姿を翔は沙羅に見せているから。
 沙羅がコーヒーをテーブルに置くと、翔は嬉しそうに席についた。淹れたてのコーヒーを一口飲んで、ホッとした顔をする。やっぱりその表情は少年のようで可愛くてたまらない。

「あの…
 今日、ショッピングに行こうと思ってて、翔の都合はどんな感じ?」

 翔は沙羅の質問に、コーヒーを吹き出しそうになりながら笑った。

「俺は全然大丈夫だよ。っていうか、俺の仕事は沙羅と一緒にいることだから、その質問、マジウケる」

 マジウケる… 沙羅にはちょっと分からない日本語だ。面白い?という解釈でいいのかな…

「何時に出る?
 あ、それと友達とは連絡取れた?」

 沙羅は肩をすくめ、顔を横に振る。翔はがっくりとため息をついた。