翔がいつものソファに座ってゲームの続きを始めていると、翔の二つ目のスマホが鳴り始める。
さっきの案件についての唐澤からのメッセージに違いない。少しだけ無視をしてゲームを続けていると、メンバーの中で一番歳の若いプリティボーイの異名を持つ七海(ななみ)が声をかけてきた。
「翔、VIPの仕事だって?」
七海はこのチームの頭脳と言われている。とにかくITに関しての知識が豊富で、七海の優れた頭脳にAIが加われば、ほぼほぼの情報を集める事ができる。
でも、性格は完全な末っ子タイプ。チームの中でもマスコット的な存在だ。
「七海に譲ってもいいよ」
翔はスマホから目を離さずに、そう言った。
そんな翔のスマホを七海が覗き込む。
「あと、もう少しでコンプリートじゃん。まだ先は長いけど」
翔は七海の口からゲームの解説が出てこないうちに、ゲームを終了させた。こいつはすぐに攻略法を言いたがる。



