美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 沙羅はそう返事をして、小さく息を吐く。そして、この時に完全に気付いてしまった。細谷翔というお抱えのボディガードに恋をしてしまっているという事を。
 そう気付いたら、更にすごく恥ずかしくなってきた。
 あ~、きっと、さっきのママ以上に顔が赤くなってるはず。
 沙羅は真っ赤に火照る顔を鎮めるためにアイスコーヒーを一気に飲み干した。そんな沙羅を翔は面白そうに見ている。

「大丈夫? 顔、真っ赤だけど」

 翔って本当に意地悪だ。洗練されている大人のようで全然大人じゃない。こういうシチュエーションで女の子が恥ずかしがっている時、大人の男性ならこんな事は絶対に言わない。沙羅は今度は泣きそうになった。
 そんな沙羅の一喜一憂を、翔はやっぱり面白そうに見つめている。

「今までいろんな女性の警護をしてきたけど、こんな可愛いくて素直なお姫様は初めてだよ。
 じゃ、改めてよろしくね。
 沙羅に危険がないように、俺がしっかり守るから。
 俺を信じてくれればいい」