沙羅がそんな風に呟くと、翔は満面の笑みを浮かべた。
「沙羅がそいつに会わなくていいんだったら、俺の仕事の内容もずいぶんと変わってくる。
ここまでベッタリと監視しなくてもよくなるし、沙羅もそっちの方がいいんじゃない?」
「え、じゃ、ボディガードは付かなくてもよくなるって事?」
翔は大きく縦に首を振る。お互いウィンウィンじゃない?みたいな顔をして。
「で、でも、それはダメだと思う… きっとパパが許さない…」
沙羅の頭の中は上手く回っていない。でも、言葉になって出てくる言葉は素直な沙羅の気持ちだった。パパが許さないというより、私が嫌…が本心だけど。
「沙羅がパパに上手に説得すればいいんだよ。
だって、どこに行くにも俺と一緒とか嫌じゃない?
そんなに危険でもないのに」
「危険なの!」
沙羅は翔と知り合ったばかりなのに、翔と離れるなんて考えられなかった。ずっと一緒にいたいとか思ってしまう。もう、本当にどうかしてる。



