翔はこの部屋の便利さは分かったけれど、何だかすごく居心地が悪かった。監視をするというより、まるで盗撮をしている気分になってしまう。
それにパソコンだって自分用のノートパソコンで事足りるし、監視カメラの必要性もあまり感じられない。
翔は画面に映る沙羅をじっと見つめた。アンフェアな仕事はしたくない。それが要求されたとしても、そのやり方ではない自分のやり方で沙羅を守りたい。
沙羅を傷つけたくないという不思議な感情に、翔はちょっと戸惑っている。
翔は隣の部屋の状態を確認し終え、沙羅の部屋のインターホンを鳴らした。
「翔です。開けて」
「あ、はい」
沙羅はすぐにオートロックを外してくれた。
「ねえ、今、ちゃんと俺の顔をモニターで確認したよね?」
沙羅は慌てて大きく頷く。
「何秒?」
「何秒??」



