美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 翔は、さっきの沙羅の部屋のリビングの位置を思い出してみる。
 確か、向こうのこの壁には大きなアンティーク風の飾り棚があったはず。引き戸タイプの三面のガラス扉があって、その棚の奥の側面にはステンドグラスがはめ込まれていた。
 ステンドグラスがとても美しかったのを覚えている。だから、そのステンドグラスを美しく見せるために棚の中には何も飾られてなかった。
 翔はそのからくりに感心した。そのステンドガラスがこの部屋のマジックミラーと背中合わせになっていて、隣の部屋が映画のスクリーンのように見えてしまうというわけだ。
 その側面の壁にもう一つ扉があった。いわゆる仕掛け扉だ。きっと、隣のクローゼットか何かに繋がっている。
 そして、部屋の中央に置かれたデスクにはパソコン用と監視カメラ用のディスプレイが完備されている。あのデラックススウィートルームに五台ものカメラが仕組まれていた。大きなディスプレイが五分割されて、はっきりとした画像が映し出されている。
 そんな中、沙羅がリビングくつろいでいるのが見える。