美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 今まで仕事をしてきたVIPの女性に関して言えば、とにかくプライドが高く女王様タイプが多かった。そうじゃかければ、何も知らない世間知らずなお嬢様タイプ。だから、すぐに翔に惚れてしまう。今回のように近い関係ではなく、距離をとって見守る警護の時だって。
 でも、今回は違う。沙羅は贅沢な環境で育ったわりには、庶民的なマインドを持っている。沙羅というお嬢様は、何だかとても興味深い。

「し、翔はどこに寝るの?」

 翔は満面の笑みを浮かべて、沙羅に耳打ちをする。

「今から、君のパパが作った忍者ルームを探検してくる。
 その結果次第かな、俺がどこに寝るのかっていうのは」

 沙羅は肩をすくめてOKと囁いた。はにかんで微笑む仕草がすごく可愛かった。