そして、そのツーショットの写真をよくよく見ると、今日の日付で“翔の旅立ち記念日”と書いてあった。きっとユリアが書いたに違いない。
翔はその写真や付箋のど真ん中に“俺で遊ぶな!”と大きめの付箋にそう書いて貼り付けた。
でも、心はほっこりと温かかった。仲間に対してこんな温もりのある感情も、初めての体験だった。
本当に俺は変わったんだな…
そんな自虐めいた事を口にして、翔は事務所を後にする。ユリアと一緒に翔の事を待っている最愛の人を迎えにいくため、翔は真っすぐに歩き出す。
この先に見える未来は、もう、一つの未来しかない。翔と沙羅の二つの未来を、一つの未来に変えていく。それは神様によって導かれた二人の運命だった。
「おまたせ」
翔の登場に子供のように喜ぶ沙羅を見て、翔は目を細めた。永遠に一緒にいようと、心の中で何度も呟いた。そんな二人を見てユリアが笑う。
「翔… 沙羅ちゃんの事、離しちゃダメだからね」
翔も笑った。こんなに笑顔が出てくる自分がまた可笑しくなる。そして、沙羅も笑う。翔は翔を取り巻く人生のフェーズが完全に変わったと思った。沙羅は完全に翔の未来に存在する。はっきりとそう感じた翔は、もう何も迷う事はない。
そして、今夜、沙羅にはっきりと伝えよう。
永遠に一緒にいよう…
おじいちゃんやおばあちゃんになっても、二人の命が尽きてしまっても、それでも一緒にいよう。
宇宙に漂う塵になってしまっても、一緒にいたい。
それほど、沙羅を愛してる…



