「向こう側は、今、ここの組織にいる俺が沙羅と付き合う事は、NGというニュアンスでした。色々な企業の内部に精通してるA&Wの人間を信用はできないという事でしょうね」
「そりゃそうだろうよ」
唐澤も難しい顔になる。オリエンタルハイグループはグローバルに展開する最大のクライアントだ。嫌でも唐澤の表情に本心が出てしまう。翔は自分の気持ちにオブラートを被せるとか、そんな気は全くなかった。
「翔はどうしたいと思ってるんだ。
お前がここに残りたいと思うのなら俺は心から歓迎するし、でも、そうじゃなくても俺は翔の事を咎める事はしない。
翔の人生だ。翔に全ての選択権がある。
オリエンタルハイと翔の事を天秤にかける気もさらさらないし、その前に俺がどうこう意見する気も全くない」
翔はいつもの可愛らしい笑顔を唐澤に向ける。唐澤はそういう表情をする時の翔の心情は分かっている。唐澤も釣られて笑った。



