「楽しめる場所ってどこなんだろう」
沙羅は嬉しそうに色々な想像を膨らませている。
翔はそんな沙羅を隣で感じながら、沙羅の右手を左手で握った。
「俺的にはあまり楽しくないところだけどね」
沙羅はますます分からなくなったような顔をして、翔を見る。そんな沙羅を見て、翔は思わず笑ってしまう。沙羅と出会って笑顔が増えた気がする。いや、間違いなく増えた。それはきっといい事なのだろう。翔はまだ沙羅の手を離さない。だって、離したくないから。そんな風に変わってしまった自分がすごく心地よかった。何かと何かがピタリとはまった、まるでパズルのピースみたいに、自分の居場所を見つけたようなそんな気分だった。
そして、翔はいつもの見慣れた光景の中で、ふんぞり返って座っている。ここはA&Wのオフィスで、翔は唐澤の部屋にあるいつものソファで唐澤を待っていた。



