美魔男の完璧な仕事に心が溺れる




「どこに行くの?」

 翔はそう聞きながら車に乗り込んだ沙羅に、いきなりキスをした。
 きっと、沙羅は自分の家族に翔を会わせる事で気が張り詰めていたに違いない。それは翔の事を傷つけたくないという沙羅の優しさだった。翔はそんな沙羅を抱きしめたいとずっと思っていた。

「沙羅、疲れたろ…?」

 キスを止めてそう聞いてきた翔の口を、今度は沙羅が優しくキスで塞ぐ。

「ううん、大丈夫…」

 キスをしながら沙羅はそう答えた。二人は一分でも一秒でも触れ合っていたかった。感情のままそれが許されるのなら。でも、翔は必死に本能に抗った。今はやらなきゃいけない事が多過ぎる。沙羅の気持ちを和らげるためにも、自分の決意の強さを試したかった。

「沙羅の楽しめる場所に行こう」

 翔は沙羅をシートにきちんと座らせてシートベルトを固定する。そして、車を発車させた。
 やっと、自由になった二人は、車の窓から見える青空に目を細めた。二人が出会ってからほんの一週間くらいしか経っていないけれど、もう、あの頃の何も知らない二人じゃない。