「もし、翔が真剣に沙羅との結婚を望んでいるのなら、君はうちの会社で働くべきだ。ボディガードを離れると決めたのであれば、の話だけど。
君ほどのキャリアがあれば何でもできるし、こちら側もすごく魅力的な人材だと思ってる。だけど、君には君なりの事情があるのも分かっている。ボディガードという仕事に誇りを持っている事もね。
よく考えてほしい。すぐに返事がほしいとは思っていないけど、沙羅と恋人として付き合っていくのなら、避けては通れない問題だ」
翔は下を俯いて考えている。即答なんてできるはずがない。
「君の今のキャリアを生かす事を考えたら、悪くない話だと思う。
父に関しては必ず説得する。ま、反対する理由は何もないと思うけどね。
ゆっくり考えればいいよ。
それで、沙羅は今日、帰るんだっけ?」
沙羅は色々な事を考え過ぎて頭が真っ白になっていた。でも、急なマイクからの問いかけに、慌てて首を横に振る。
「分かった。
飛行機のチケットは僕の方で変更していくから。
帰りはオープンでいいかい?」
沙羅は今度は大きく頷いた。そして、テーブル越しにマイクにハグをする。



