「それもパパの提案?」
翔は優しく沙羅を見つめる。
「パパなのかお兄ちゃんなのか、それかうちの社長なのか、それは分からない。
でも、それならそれで楽しめばいい。
一週間で終わっちゃうんだから」
沙羅はそんな風に楽しそうに言う翔の横顔をジッと見つめる。
まつ毛が女の子みたいに長くて、でも、鼻と口は男性特有の力強さを感じる。
昔、好きだった日本のアイドルにこんな綺麗な顔の男の子がいたっけ?
沙羅は何だか目が離せなかった。でも、こういう感情になる事だって、翔が仕組んだ罠かも知れない。きっと、自分がしやすいように相手の心を操る術を、翔は絶対に心得ている。



