「沙羅、パパはこの後に、もう一人仕事の関係で会わなきゃいけない人がいる。
本当は沙羅ともう少しゆっくり居たかったんだけど、もう行かなきゃいけない。
この後の事はマイクに任せているから。
食事をするなりして楽しんでおいで」
パパは、納得がいかず不機嫌になっている沙羅をなだめるようにそう言った。でも、沙羅はそんなパパの言葉に騙されない。もっと、翔の事をたくさん伝えたかった。翔という人間の素晴らしさや愛らしさを。
「パパ、もっと話がしたい…」
そんな沙羅の腕をマイクが優しく掴んだ。
「僕がちゃんと聞くから。
そうだ、翔も交えてランチをしよう。ちょっと、遅くなっちゃったけどね」
パパはマイクに目配せをして、その部屋から出て行った。パパが居なくなった途端、沙羅の目からまた涙が溢れ出す。
「マイク、私、初めてなの…
こんなに人を愛せる自分がいたなんて…
信じられないくらい… 翔が居なきゃ生きていけない…」
マイクは上を向いて大げさに肩をすくめた。そして、沙羅にハンカチを渡して沙羅を抱き寄せる。



