「今日は帰らない。
しばらくは日本にいるつもりだから。
それと、私の未来にパパの都合は関係ない。私は私が選んだ人と一緒にいる。結婚なんて形式に囚われなくていい。もう二人とも立派な大人で、それぞれの環境で社会的地位も確立して、自分の意思で生きている。
パパの都合に振り回される事は絶対にないから。
たとえ、パパがどんな権力者であっても…」
沙羅の言葉は本心だった。たとえ愛する家族に反対されても、沙羅は翔と一緒にいたい。
パパは肩をすくめ苦笑いをした。そして、マイクを見た後、時間のない素振りをする。
「沙羅、今日のチケットは変更はしない。とにかくアメリカに帰る事。
パパの考えはマイクを通して翔に伝えてある。
それをどう受け止めるから彼次第だ」
「翔に何を伝えたの?」
沙羅はパパにそう詰め寄った。翔を守りたい想いがあふれ出て自分でも手に負えない。
「それは彼に聞いてみればいい。
彼が考える事で、全ては彼次第だから」
パパはそう言うと、マイクにしつこく時間がないアピールをする。



