美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



「沙羅は彼に恋をしたのかもしれない。
 でも、それはマジックみたいなもので、沙羅のことを必死に守ってくれた彼が美化されているだけ。
 彼は仕事でそうした。ただそれだけなんだよ」

 沙羅はパパの胸の中から離れた。伝えたい事がたくさんあり過ぎる。

「でも、パパはどうしてその事を知ってるの?
 私と翔の二人の関係性を…」

 沙羅は翔の事を家族の誰にも話していない。
 すると、マイクが二人の会話に入ってきた。いまだに難しそうな顔をして。

「沙羅…
 翔から仕事に関する報告書が送られてきた。
 ボディガードとして、金子達也の事件の見通しやその経過の見解を分かり易くまとめてあった。
 そして、その添付書類の中に、CEO宛ての、パパへのメッセージも入ったんだ」

「翔から? パパへ?」

 沙羅はすぐにパパの方を見た。でも、パパは沙羅と目を合わせない。

「沙羅、パパはボディガードからの報告書を直接見る事はしない。だから、僕が代わりに確認した。そんな事は沙羅もよく分かってるよね?」

 沙羅は一気に力が抜ける。翔は沙羅よりも先に今の二人の状況をパパへ伝えていた。パパがどんな人間かも知らずに。