そんな私達は絶対に別れる事なんてできない。もうこれ以上の人には巡り会わないと、お互いが分かっているのだから。
沙羅は翔の胸の中から、翔の綺麗な顔を眺めていた。西洋人が見ても美しいと思わせる翔の端正な顔立ちは、翔のほんわか可愛らしい笑顔によって、親しみやすさが倍増する。
そんな翔の魅力に全ての女性はひれ伏してしまう。それは間違いなく、沙羅だって一緒だった。
「翔…
私、パパに全部話すつもり…」
「全部って、何を?」
翔は沙羅の顔を覗き込んでそう聞いた。
「ううん… 何でもない…
今、言った事は忘れていいから」
翔は目を丸くして困った顔をしている。
「え~、何? 聞きたい。
何をパパに言うの?」
沙羅は翔がまだ任務中だということを思い出した。翔はデートはしているけれど、沙羅のことを常に守っている。明日だってそうだ。沙羅が無事に飛行機に乗り込むまで翔の仕事は続く。そんな翔にこれ以上迷惑はかけられない。特に、自分の親の事に関しては。



