美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 翔は車から出ると、大きく背伸びをして空を見上げた。沙羅もすぐに外に出て、マイナスイオンたっぷりの空気を胸いっぱい吸い込んだ。

「こんないい場所があるなんて、全然知らなかった」

 翔はそんな事を言いながら、沙羅を引き寄せて抱きしめる。

「たまたま来たところなの?」

 沙羅は森の澄んだ空気を感じながらそう聞いた。

「初めて来た…
 いや、沙羅が居たからこんなところに来る事になったのかな…
 森の空気ってこんな感じなんだ~
 日本の田舎もいい所あるんだな。
 って、初めての発見が多過ぎて戸惑ってるよ。
 今までの俺には見えなかったものを、沙羅の存在がキラキラした形で見せてくれる。
 沙羅って、マジでヤバイ… 
 俺の価値観を見事にぶち壊して、新たに築き始めてる。全く違ったものとして」

 沙羅は翔の胸の中で、ぼんやりとその話を聞いていた。翔のハスキーな声は、沙羅の五感を一瞬で刺激する。真っすぐに立っていられなくなる。