「デート?
間違いなく言えるのは、こんな森には来た事ない。
遠出とかほとんどした事ないかな。
俺的にはデートする事自体、面倒くさいわけだから」
沙羅は翔の言いぐさに何だかムカついてくる。
「じゃ、どんなデートをしてたの?」
「ご飯食べて、その子のお家に行くパターンが多い」
翔はそんな最低な話を楽しそうにしている。
彼女のお家に行くって、する事は一つしかないじゃない…
沙羅はますます機嫌が悪くなった。
「食事したあと、他にもっと楽しい事あるのに…
すぐに家とかに行かなくても」
「ほとんどの子が自分の家に招待してくれるんだ。
俺をお持ち帰りにしたいみたいで」
沙羅はその話の先はもう聞きたくなかった。どうせ、彼女の家でイチャイチャして、その夜は泊って一緒に朝を迎えるパターンのはずだから。
沙羅は翔の横顔をジッと見つめる。自分だって、出来る事なら、毎日翔と朝を迎えたい。
「翔って、最低…」
「え? 何で?」



