美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 でも、沙羅の温もりを感じていると、忘れていた幸せな頃の自分の記憶が蘇る。翔はこんな一匹狼的な性格だけど、家族には、特に母親には愛されて育った。そんな昔の事を思い出すなんて、一体、いつぶりだろう。
 そして、翔はピクリとも動かない沙羅の鼻の頭をもう一度突いてみる。沙羅はゆっくりと目を開けた。

「まだ寝てていいよ」

 自分が起こしたくせにそんな訳の分からない事を言う。
 沙羅はそんな翔をほんの数秒愛おしそうに見つめている。翔は眠ってしまいそうな沙羅のくちびるにかすめるくらいの軽いキスをした。
 沙羅は目を大きく開けて、精いっぱいの笑顔を見せてくれた。でも、また目が閉じていく。

「おやすみ…」

 翔は沙羅の髪を優しく触りながら、そして、もう一度キスをした。今度はまったりと熱量を帯びたキス。それでも眠っている沙羅の様子を確認して、翔は静かにベッドから出る。これ以上、沙羅の隣にいたら、沙羅の全身にキスがしたくなる。