タクシーはホテルに着いた。VIP仕様の駐車場へゆっくりと入って行く。翔はまだぐっすりと眠っている沙羅の肩を優しくさする。起こすのが可哀想でたまらない。せっかくよく眠れているのに…
沙羅はゆっくりと目を覚ました。その瞳は無防備で幼い少女のようだ。
「起きれそう?」
翔は優しくそう聞いた。起きれないのならおぶって部屋まで連れていってもいい。
「うん… 大丈夫…」
沙羅は翔の肩越しでそう返事をして、静かに体を起こした。
タクシーは車寄せの位置で車を停める。翔は運転手にお礼を言い、車を降りた。そして、沙羅を抱き寄せて車から降ろす。でも、沙羅はすぐに運転席の方へ歩いて行く。窓越しに二人は何かを話していた。きっと、沙羅が丁寧にお礼を言っているのだろう。沙羅の表情は感謝の気持ちで溢れている。そして、話終えた二人は握手をして別れた。
翔はそんな光景を見ていると、沙羅への想いがより一層深まった。沙羅は本当にいい子だ。こんなに可愛くて優しい子を愛さずにはいられない。いや、もう、あり得ないくらい愛しているけれど…



