美魔男の完璧な仕事に心が溺れる



 一人の人を真剣に愛し続けるなんて、一生、縁がない事だと思っていた。ましてや、そんな色恋で一喜一憂するなんてあり得ないと、心のどこかで馬鹿にしていた。
 恋愛は人の心を豊かにする…
 以前、こんな言葉をラジオか何かで聞いた事がある。その時はこの言葉の意味が全く分からなかった。でも、今なら何となく理解ができる。
 人を愛すると見るもの聞くものが全く違ってくる。見えなかった何かが見えてきたり、分からなかった事柄が理解できたりする。翔は外の美しい景色に涙が出そうになった。そんな風に変わってしまった自分が可笑しくて苦笑いをする。
 そして、翔の隣で沙羅が眠っている。ただ、それだけの事なのに、翔の心は安心感と幸福感でいっぱいだった。
 沙羅を守る事は今の翔にとっては仕事としての任務だけれど、でも、この任務はこの先も確実に続いて行く。愛するという事はそういう事。翔は自分の心の変化を認めるしかなかった。
 沙羅と離れたくない…
 大きな任務を終えた今、翔の気持ちは抑えられないくらいに高まっていた。