でも、沙羅は翔に顔を近づけた時、翔の頬から血が流れている事に気付いた。
「翔、血が出てる!」
沙羅は慌てて上着のポケットからハンカチを取り出し、翔の頬にハンカチを当てた。よく見たら、小さな傷だった。流れ出た血液は時間の経過とともに赤く固まっている。
「多分、ガラスの破片が飛んできたんだと思う。
龍也の拳銃は天井に向かった発砲したから、その振動でダウンライトが割れた。多分、その時の小さなかけらが当たったのかな?
っていうか、俺も今、言われて気付いたくらい。
それくらい、大した事ないってことだよ」
翔は今度は沙羅の顔をじっくりと覗きこむ。
「沙羅は?
どこもケガはない?」
沙羅は急に自分の事を聞かれ、ポカンとしてしまった。情緒が不安定で涙がまた溢れ出す。翔はそんな沙羅を優しく抱きしめる。
「とにかくホテルへ帰ろう…」



